2007年06月23日

本/雑誌】 エミリ・ブロンテ『嵐が丘』

嵐が丘(上)嵐が丘(上)
エミリー・ブロンテ 河島 弘美

岩波書店 2004-02-19
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おすすめ平均

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ブロンテ姉妹ラストになってしまったエミリ。一般的にはこれがいちばん高評価らしいですね。確かに畳み掛けるような展開と描写にはものすごい臨場感を感じた。エミリすごい。シャーロットやアンが割とエンジンのかかりの遅い物語展開だとしたらエミリは即全開、そのまま終盤までフルスロットルで息切れ無しって感じ。ま、前半のキャサリン死去までに比べると後半は盛り上げ役がヒースクリフしかいなかったせいか温い気はしましたけど。でも始めっから終わりまで読者を掴んで放さない物語の濃さには恐れ入った。 前に読んだときは「ヒースクリフあぶねぇなー」くらいの印象しかなかったんですが、今読むと怖いのはキャサリンだ。ヒースクリフはただのドM。自分にしか分からない価値観でヒースクリフではなくエドガーと結婚し、それでもヒースクリフを昔同様に愛して奴等を仲違いさせた挙句、「2人が私を追い詰めて殺すんだわ」と訳の分からない錯乱を起こし男共を恐慌状態に陥れる。もう最高だ。こういう女に人生滅茶苦茶にされてみたい。うん、嘘。 なんにせよキャサリンのキレっぷりとイザベラの転落ぶりは一度は見ておくべきだと思いますよ。あ、あとヒースクリフの息子の腐れっぷりもだ。アイツは豆腐の角で頭ぶつけて死ぬタイプ。
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