2007年06月29日

本/雑誌】 伊坂幸太郎『重力ピエロ』

重力ピエロ重力ピエロ
伊坂 幸太郎

新潮社 2006-06
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重いバックグラウンド背負っている子はいるし、胸糞悪いヤツもいるし、明らかなハッピーエンドってでもなかったのに読後に感じたいちばんの感想は「良い話だったなぁ」でした。兄弟ものといえばまず相克関係なふたりが浮かぶワタシにとって泉水と春のやり取りは最高に心和んだよ。春はもちろん良い子だけど泉水超良いお兄ちゃんだ。良いお兄ちゃん過ぎて道を踏み外しそうなところがまた良かった。お父さんもお母さんも素敵だったし、素晴らしいひとたちってのはこういう風に何気ない日常を謳歌していきているんだろうなぁ。この家族のシーンだけは本当に癒された。心から癒されたよ。


結末に関しては決して良いことをしたとは言えないんだけど、それでも誰かが(基本的にこの件に関する被害者兼加害者は春だから春かな)救われたのなら良いのかもと思った。法律も神も救ってくれないなら自分で自分を救わなければならないのが今の世の中かもしれないしね。この話、そういう視点で読むと切なくて死にたくなる、のでワタシは家族愛に浸って読むよ。

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