青春小説という言葉がピッタリの1冊。感情の起伏の幅が狭い主人公北村が個性炸裂の西島や東堂たちと接していくことで段々と変わっていくところもすごく好き。伊坂作品で初めて世知辛い気持ちにならずに読めた。物語の芯にあるのが『元ホストで今チンピラの三下との対決』というのはちょっとスケールが小さいけれど、そのスケールを北村とその仲間が大きく感じさせているから読んでいるこちら側は世界を分ける大戦争でも見ているかの気分にさせられるので文句はない。とにもかくにも「若いって良いなぁ」と思わせる作品です。大学生に戻りたい。
このエントリーのトラックバックURL
http://blueasy.s15.xrea.com/x/mt-tb.cgi/664