バンド名をタイトルに冠した8枚目のオリジナルアルバム。発売してからどれくらい経ってるのか、既に分かりませんがとりあえずリリース期にワタシは坂井泉水熱愛追悼モードに入っていたため熱心に聴き始めたのは8月になってから。しかしその分『美しい名前』で無駄に上がっていたテンションが冷めてから聴いたので良い感じの距離は保てたかな。『美しい名前』直後だったらたぶん冷静に聞けてなかったと思う。
という訳で本題へ。バンド名をタイトルに関した自信作というのは一つ一つの楽曲の完成度の高さからよく分かりましたが、個人的には『美しい名前』を超えるものはなかったという印象。流しで聴いてて耳が止まるのが『美しい名前』『舞姫』『枝』だけだったしなぁ。じっくり聴いていればどの曲も良いし(『フリージア』と『理想』はかなり好きだ)、よく出来たアルバムだとは思うんだけど、いかんせん他のことをしている意識を歌に持っていくような強さがあんまりない。『人間プログラム』のときのようなCDなのにぞくっとするような感覚が今回感じられなかったのが少し残念。とは言えバクホン自体には少しも失望していないし、彼らの本領発揮の場であるライブで聴けばまた違うと思うから行ってみなければ。
しかし何度も言うけれど『美しい名前』は最高だな。主に歌詞が好きなんだけど、メロディーもTHE BOOMの『不自由な運命の中で』を思い出させるドラマティックな泣きのメロが堪らない。こういう曲ばかりでも困るけど、たまにこういう曲作ってくれるからワタシはバクホンが好きなのかもしれない。もちろん『上海狂騒曲』好きとしてロックな面も見逃せないけど。