2007年10月15日

本/雑誌】 ルース・レンデル『死のひそむ家』

死のひそむ家 (創元推理文庫)死のひそむ家 (創元推理文庫)
成川 裕子 ルース・レンデル

東京創元社 1987-09
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風呂の中でちまちま読んでいたレンデルが漸く読了。翻訳ものって苦手なんだけど、これは割合ストーリーの流れがすっと頭に入ってきたので読み易かった。そしてワタシにとってこの手の推理小説は新鮮。犯罪行為時にトリックを駆使するのではなく、その準備段階で小細工を弄して自分を犯人候補の圏外にさせようだなんて小憎らしいなぁ。ある意味犯人は分かりきっているのだけど、どうやってその過程を導き出していくのか追っていく楽しさがあった。他のレンデル作品にも手を出してみようかな、特にシリーズものを。

2007年10月14日

本/雑誌】 恩田陸『puzzle 』

puzzle (祥伝社文庫)puzzle (祥伝社文庫)
恩田 陸

祥伝社 2000-10
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不可思議な3つの死体を巡るミステリー、と粗筋には書かれてましたがどっちかって言うとファンタジーな人間小説のような気がする。解説で竹本先生も書かれてましたけど島を訪れた2人の検事の心理戦がキモで冒頭に出てくる謎の回答なんて恩田先生的にはどうでもよさげな感じ。ちょっと短すぎて探偵役(?)の春が回答を導き出すプロセスが天才的直感じゃないかと思える節もありましたが雰囲気には概ね満足。出来ればいったん島から帰って調査したりしてもう一度島に戻ってきて種明かし、とかだと舞台装置的には完璧だったんだけどそういう地道な調査とかが似合わない話だったから畳み掛けるような展開になったんだろうなぁ。そこがちょっと残念。しかし謎の死を遂げた3人の死に様があまりにファンタスティックで楽しくなってしまったので良いや。うん、まぁまぁ。