2006年09月29日

本/雑誌】 高村薫『マークスの山』

4062734915マークスの山(上) 講談社文庫
高村 薫
講談社 2003-01-25

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直木賞受賞作品。ワタシが女史の名前を知ることになった作品でもありますが、読んでみてこれほど予想と違う作品も珍しいと思った。まぁそれは彼女の作品に冠せられた『超硬派』というレッテルと適当なこと言うあらすじのせいだ。

とにかく終盤のマークスを追うシーンがとても良い。そこに至るまでの過程についてはやけに冗長で合田刑事の過去とかどうでも良いじゃねぇかとか思ったけど、ラストの盛り上がりは大層楽しめましたよ。あんな形で終わるとは思ってなかったけど、これ推理小説じゃないからそんなものか。ただ人物関係がちょっとばかり無駄に絡み合い過ぎてたのでその辺もうちょっとスッキリさせてマークスと合田刑事の輪郭を浮き立たせてくれたら最後の追跡劇がもっと格好良いものになったんじゃないのかなぁ。でも楽しく読めたので良いです。

2006年09月19日

Movable Type】 容量オーバー

先日、@Newsの方を更新しようとしたらエラーが出て出来なかった。サーバーの方でエラーでも出てんのかなーと特に深く気にも留めずに週末になってもう一度やろうと思ったけどまた出来なかった。無料で借りてるところだしそんなにワガママ言えないかと思いサーバー情報をチェックするも特に生涯は発生していない。ここに来てようやくまじめにエラーメッセージを見てみたら、ただのディスク容量オーバーだった。

音楽ニュースを他の記事から独立させて約半年、普通なら全然余裕のはずなんだけどやっぱり記事を個別のエントリーにしているせいか気を付けないとすぐにいっぱいいっぱいになってしまうようだ。とりあえず今回は日付別と月別の記事を作らないようにしてザクザク削除をし、5メガほど空けた。でも根本的な解決にはなってないよなーそろそろ真面目にプラグイン作りを考えないと無理かしら。「はてなダイアリー」のリンクみたいなのが理想なんだけど、どうもうまくいかないので自分の馬鹿さに額を壁に打ちつけながら善後策を練りにいってきます。

2006年09月11日

ウェブ】 スーパーの女

【アブナイ】パートをしている奥様の裏話【スーパー】
天漢日乗さんで見かけたスレ。ここを読んでいて高校時代に働いてたスーパーを思い出した。といってもスレで出ていたような衛生観念ゼロの社員はいなかったのでそこそこ綺麗でしたが、青果部門で働いてたので色々と起きてはいましたね。まずそこはスーパー内と外に青果が置いてあって外の方は虫が凄かった。白菜切ったら中から青虫が出てくることもよくあった。そういうのは青虫の部分を取り除いて4分の1カットとかにして売ってましたね。あと出してから日にちが経って表面がしなびてきた葉物はペリペリ剥がしてラップし直し、値段は据え置きかそれよりちょっとだけ下げて陳列。ま、この辺はどこのお店でもやってると思うのですが、とりあえず1度だけ超ビックリした出来事がありました。

開店前、スーパーの店内にあった野菜を外に並べているときにカゴ(普通のスーパーにおいてある買い物カゴ)が邪魔だったのでちょっと引っ張って移動させようとしたら下から大きなネズミの死骸が出てきた。死骸といっても見た目に損傷がなかったので生きてるのかと思ってあわててチーフの下へダッシュ。チーフが来てネズミを見て一言「こりゃ、死んでるわ」って。何か悪いものでも食べたのかなーと自分の勤める店の食品を思い浮かべているところへさらに一言。
「ここに引っかかって動けなくなっただろうね、餓死だよ」
えー、餓死ですか。人間でも1週間くらい食べなくても死なないって言いますよね。ネズミも多分1日じゃ死なないと思うんですが、ということはこのねずっころはここで少なくとも2、3日もがいてたんでしょうか。ワタシ一昨日もバイトでしたけど全然気が付きませんでしたよー所詮スーパーなんてこんなもんだということでしょうか。ちなみにそのネズミさんはチーフが始末してくれました。

もう10年位前の話ですが、ここのスレ見てたら急に思い出した。ちなみにスーパーは今はありません。

2006年09月09日

本/雑誌】 高村薫『黄金を抱いて翔べ』

4101347115黄金を抱いて翔べ
高村 薫
新潮社 1994-01

by G-Tools
とあるサイトさんで高村女史について触れられていたくだりに妙に惹かれて読んでみました。高村薫と言えば『マークスの山』くらいしか知らず、それさえ世間の超硬派小説という評を鵜呑みにしていたワタシはこれを読んで大層驚かされることになりましたよ。うん、何て言うか、お仲間?みたいな気持ち。もちろん物語的にはあっという間に読み終えてしまったことからも申し分のない面白さだったんだけど、超硬派と言われる割には随分とセンチメンタルな展開じゃないですか。ふたりがくっつく必然性なんてあんまりなかったのにそうしないではいられなかった高村先生の情緒的な部分に正直萌えました。うん、先生にね。ずっととっつきにくい委員長タイプだと思っていた女の子がふと見せた可愛らしさに気付いてしまったようなそんな感じで嬉しい。見た目のイメージと世間様の『超!硬派』からものすごく硬い文章のひとかと思って敬遠していた自分が馬鹿みたい。もっと読まなくちゃ。

気付いたら全然ストーリーについて触れていませんが面白かったですよ。登場人物の生き方が地べたを這うような生々しい感じで読んでて鬱になるくらいに、枝葉の部分が登場人物の姿を眼前に押し付けすぎて困るくらいに物語の世界に入り込めました。