2007年07月08日

本/雑誌】 服部まゆみ『罪深き緑の夏』

罪深き緑の夏罪深き緑の夏
服部 まゆみ

角川書店 1991-03
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『切り裂きジャック』が面白かったので期待して読んでみたけどこれは普通だったな。怪しげに佇む洋館、そこに住む美しい兄妹、人々の抱える秘密、とゴシックっぽい空気は十分あって良かったのですが、主人公の淳が『ジャック』の柏木以上にイライラさせてくれたので作品世界に浸りきれずに終わってしまった。それに山崎兄弟の相克や、彼らを囲む人間関係への言及もちょっと中途半端で全体的に消化不良。もうちょっと長ければ良かったのかな、と思ったけどこのネタで長編引っ張るのは難しいかも。話の長さに比して登場人物が多過ぎた感じがしました。それでも淳が一心不乱に壁画を描き上げるシーンはちょっと感動した。駄目な子が必死で頑張ってる姿は何故か心惹かれますね。でもそこくらいしか特筆すべきところがない。服部先生はこの作品で何を書きたかったのだろうか。
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