『終末のフール』ほどでは無いけれど結構な鬱度でした。伊坂先生の書く「どうしようもない無力感」に毎度毎度打ちのめされては読んでいるんですが、今回は初っ端からそんなんだったんで最後まで読めないんじゃないかと不安になりましたよ。とにかく鈴木の存在が欝だ。酷い過程で妻を亡くしてその復讐のために入った組織なのにあっさり看破されて殺されそうになって、ワタシならこの時点でもう3回くらい死んでる。そんな鈴木なのに他のメイン人物蝉や鯨を押し退けて最終的に生き残れたのは彼の運と、奥さんが見守っていてくれたんじゃないかなぁ。そう思いたい。最後だけ見ると良かったね鈴木、と言えなくもないんだが過程が重過ぎて、やっぱりワタシは欝になる。鯨がかなり好きだったんですけどね、絶対お近づきにはなりたくない。
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