2007年07月08日

本/雑誌】 今邑彩『いつもの朝に』

いつもの朝にいつもの朝に
今邑 彩

集英社 2006-03
売り上げランキング : 246760
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ブロンテ姉妹と永井路子女史を別格としたら、彼女はいちばん好きな女性作家かもしれない。この作品、評判が非常に良いので期待して読んだんですが 最 高 でした。今までの今邑彩のミステリらしく二転三転する展開に、兄弟の相克と家族愛を上手く融合させて最高の読み物へと昇華させている。このひとに泣かされたのは初めてだ。このひとの仕掛ける謎って割とタネが見え易いのですが、それでいて飽きさせることのない展開は本当に良いですね。いやー楽しかった。

2007年07月07日

本/雑誌】 ジェーン・オースティン『エマ』

エマ〈上〉 (岩波文庫)エマ〈上〉 (岩波文庫)
ジェーン オースティン Jane Austen 工藤 政司

岩波書店 2000-10
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一度は読んでみたかったオースティン、ブロンテ全集を読んでいるときにシャーロットの『オースティン批判』にぶつかったので良い機会だと読んでみました。


数年前の映画化の際にあらすじを耳に挟んでいたので予備知識はあったつもりなんですが、実際読み進めてこれほど宣伝文句と内容が違う話もないよなぁと思った。エマは確かキューピッド役をつとめるのが好きで自分の色恋なんかは興味がなく他人をくっつけてばかりいると言うことでしたが、実際にあの子がくっつけたのって家庭教師だけじゃないか。それも自分が主張しているだけで周りからは冷ややかに「君の力がなくてもふたりは結ばれたよ」と言われる始末。それでも持ち前のポジティブさ、もうそれ通り越して自己陶酔の域ですが、その前向きさで新しい獲物である作品内最大のエマ被害者ハリエットに牧師をけしかけたり、貴族の坊やを唆してみたり大忙しです。もうホント読んでてハリエットが可哀想になった。あの子はエマの靴に蜂蜜流し込む権利があるよ。エマの帽子にカマキリ3匹置いても許されるよ。エマによるハリエットの受難はもう数え上げたら限がないのですが、やはりハイライトはハリたんがナイトリー氏に恋をしていると知ったときのエマの反応ですね。可愛い妹のように思っている(筈の)ハリエットをけちょんけちょん。「あの方はそんな愚かなことはしない」って友達ならお世辞でも良いから励ましてあげれば良いのにさーいやはや本当にエマは面白い娘だ。近くにいたら厄介だけど友達の友達くらいのポジションだったらいても良い。愛される主人公と言うよりはむしろ普通の恋愛小説なら鬱陶しいライバルの位置にいそうなエマですが、ずっと読んでいると愛着がわくのも事実。読み終えて何度も反芻し、エマの良さを堪能しています。


ちなみにこの物語に出てくる男性はほぼダメンズばかりで唯一まともな言動をしていたナイトリー氏に尊敬の念を寄せていたのですが、ラストで彼がエマが13歳のときに見初めてからずっと愛していたという告白をしてますます惚れ直しました。格好良いぜロリコン野郎(誉め言葉) まぁ結局まともでない男性はいなくなりましたけどね。

2007年07月05日

フード】 チロルチョコ 塩バニラ

関西圏ではすでに発売されていた『チロルチョコの塩バニラ』がついに関東にもお目見えしましたー
ピンボケ塩バニラ


塩でバニラだから不味い訳がない。一気に箱買いしようかとも思ったけど出勤前だったのでとりあえず数個買って1日モグモグしてました。

何これ、美味しい、美味し過ぎる。塩キャラメル食べたときも思ったけど、少量の塩はどうしてこんなに甘さを引き立たせるんだろう。もうやばい、塩バニラちょうやばい。箱買いしてしまいそうだ。
唯一気に入らない点は中に入っているマシュマロ。アレ無い方が美味しかったよ、きっと。

2007年07月01日

本/雑誌】 伊坂幸太郎『砂漠』

砂漠砂漠
伊坂 幸太郎

実業之日本社 2005-12-10
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青春小説という言葉がピッタリの1冊。感情の起伏の幅が狭い主人公北村が個性炸裂の西島や東堂たちと接していくことで段々と変わっていくところもすごく好き。伊坂作品で初めて世知辛い気持ちにならずに読めた。物語の芯にあるのが『元ホストで今チンピラの三下との対決』というのはちょっとスケールが小さいけれど、そのスケールを北村とその仲間が大きく感じさせているから読んでいるこちら側は世界を分ける大戦争でも見ているかの気分にさせられるので文句はない。とにもかくにも「若いって良いなぁ」と思わせる作品です。大学生に戻りたい。

2007年06月30日

本/雑誌】 伊坂幸太郎 『魔王』

魔王魔王
伊坂 幸太郎

講談社 2005-10-20
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『魔王』『呼吸』の2編収録ですが実質的にはひとつの物語と考えて良い作品。『魔王』主人公の安藤が口癖のように言う「考えろ考えろ」という痛烈なメッセージとカリスマ的な魅力を備えた犬養という政治家の強い主張から風刺文学とかそういった捉え方をされている気がしますが、ワタシは安藤と潤也君の互いを思う兄弟愛にちょっと感動してしまった。安藤が死ぬ直前に潤也君にはこれから幸せなことがあって良いんじゃないかと空に問い掛けるくだりや『呼吸』で潤也君が死んだくらいで兄貴は俺を見放さないって言うくだりがもう堪らなかった。『重力ピエロ』の泉水と春も良かったけれど、ワタシはこの兄弟の方が好きだ。これ続編出来そうな感じなんですけどないのかなぁ。


あとこの話って『犬養=魔王』で、それに気付いているのが安藤だけという感じで物語が進んでいくんだと思うんですが、肝心の犬養と安藤は1度も言葉を交わしてないんだね。それどころか犬養は安藤のことを知らない。真実に気付いても個人も力じゃどうにも出来ない無力さを感じて、ちょっとそこだけはアンニュイでした。


ちなみにこれ今『週間サンデー』で設定を高校生に変えたものが連載されてますが結構面白いです。原作読んでると特に面白いのでマンが読んでる方も原作は読んだ方が良いと思います。お節介。

2007年06月29日

本/雑誌】 伊坂幸太郎『重力ピエロ』

重力ピエロ重力ピエロ
伊坂 幸太郎

新潮社 2006-06
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重いバックグラウンド背負っている子はいるし、胸糞悪いヤツもいるし、明らかなハッピーエンドってでもなかったのに読後に感じたいちばんの感想は「良い話だったなぁ」でした。兄弟ものといえばまず相克関係なふたりが浮かぶワタシにとって泉水と春のやり取りは最高に心和んだよ。春はもちろん良い子だけど泉水超良いお兄ちゃんだ。良いお兄ちゃん過ぎて道を踏み外しそうなところがまた良かった。お父さんもお母さんも素敵だったし、素晴らしいひとたちってのはこういう風に何気ない日常を謳歌していきているんだろうなぁ。この家族のシーンだけは本当に癒された。心から癒されたよ。


結末に関しては決して良いことをしたとは言えないんだけど、それでも誰かが(基本的にこの件に関する被害者兼加害者は春だから春かな)救われたのなら良いのかもと思った。法律も神も救ってくれないなら自分で自分を救わなければならないのが今の世の中かもしれないしね。この話、そういう視点で読むと切なくて死にたくなる、のでワタシは家族愛に浸って読むよ。

2007年06月28日

本/雑誌】 漆原友紀『蟲師』

蟲師 (5)蟲師 (5)
漆原 友紀

講談社 2004-10-22
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ちょっと前にアニメでやってて気になってはいたんですが買うほどでもないと思っていたので旅先のホテルにあったこれをここぞとばかりに読破。旅行先でやることじゃないね。でもなかなか面白かったです。イメージ的には波津先生の『雨柳堂〜』っぽいのかと思ってたらそうでもなくて、主人公のギンコは見た目よりもずっと泥臭い人間(?)で話はめでたしめでたしで終わらないものが多くて読みながら軽く鬱になった。既に世界が構築されている場合、たとえそれが不幸としか言いようのない形でも壊されることは決して幸福じゃないんだということを見せ付けるような橋から落ちた女の子の話や毎日死んで生き返る女の子の話は本当に切ない。やっぱハッピーエンドが良いですよ。なので錆の女の子の話は好きだった。時間が足りなくて5巻までしか読めなかったので、今度機会を見て残りも読みたい。ところでギンコは言われているようにワンピースのサンジにそっくりですね。サンジスキーなのでギンコも好きです。

2007年06月26日

本/雑誌】 横山秀夫『陰の季節』

陰の季節陰の季節
横山 秀夫

文藝春秋 2001-10
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『半落ち』がイマイチだったのであまり期待せずに読んだんですが、これは面白かった。いやぁこのひと短編の方が向いてるんじゃないの。警察は警察でも管理部門のひとに焦点を当てた4つの作品はどれもスッキリとしていて読み易かった。何て言うか、こう中間管理職の哀愁がね、もう堪らない。後味が良いとは言えない話ばっかりだったけど、妙に清々しい諦観が個人的には気に入りました。あと全編通して出てくる二渡さんが本人視点と他人視点では別人のように見えたのが面白い。格好良く見えても中の人はいっぱいいっぱいなんだなーとちょっと微笑ましくなった。所詮ワタシはミーハーだ。

2007年06月24日

本/雑誌】 伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』

オーデュボンの祈りオーデュボンの祈り
伊坂 幸太郎

新潮社 2003-11
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地図に載っていない島、喋るカカシ、嘘しか言わない絵描き、死刑執行人。冒頭部分で出てくるこのキーワードだけ見てどんな中2病設定なファンタジーかと思ったが、実際は読めば読むほど世知辛い現実が待ち受けているミステリーでした。そして非常に良く出来ている。未来を告げる神秘的なカカシが何故自分の死を予見出来なかったのかという謎を主人公がといたシーンは最高。とは言えその動機を考えて、ちょっとブルーにさせられた。伊坂先生好きだけど、ホント読む度世知辛い気持ちになるんだよ!


しかしラストで城山が桜にボコられるところにはスッキリしたなぁ。正直このシーンのために桜の『善悪には頓着しない』設定があるのかと思ったくらいだ。相変わらず話運びは上手く、会話も軽快さが気持ち良いので一気に読めました。

2007年06月24日

フード】 FUUUU!

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歌舞伎町にあるスープカリーのお店。出てきたナンの大きさにビックリした。ワタシが頼んだのは『ガンジーセット』というカリー1種類、タンドールチキン1/2、カップライス、ナン、サラダ、デザートというなかなかてんこもりなセット。てんこ盛りだけあって色々なものを少量ずつというコンセプトが伺えたのですがとにかくナンの大きさだけが突出していた。しかしそのナンが焼き立てで、バターの焼けた香ばしい匂いが堪らなく食欲をそそったので軽く1枚食べ切ってしまいました。カレーは大好きなキーマカレーを選びましたがこれもまぁ普通に美味しかった。タンドリーチキンは何だろう、香辛料の関係かちょっと普段食べる鶏とは違う味でこれまた美味しかった。ただその鶏の付け合せに出ていた和え物みたいなのが辛くてこれだけはちょっと次回は遠慮したい。カレーと辛さの次元が違ったんだよなぁ。とにかくナンが大きくて美味しかったのが嬉しかった。次行くときは売りになっているスープカリーにチャレンジしてみたい気持ちでいっぱいです。

URL:http://www.metro-net.co.jp/fuuuu/index.htm

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