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2007年06月18日

CD/DVD】 追悼 坂井泉水:5『OH MY LOVE』

OH MY LOVEOH MY LOVE
ZARD 坂井泉水 明石昌夫

曲名リスト
1. Oh my love
2. Top Secret
3. きっと忘れない
4. もう少し あと少し…
5. 雨に濡れて
6. この愛に泳ぎ疲れても
7. I still remember
8. If you gimme smile
9. 来年の夏も
10. あなたに帰りたい

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大ヒットした5枚目。『HOLD ME』と並んで好きなアルバムです。タイトルトラックでもある1曲目『Oh my love』の明るく爽やかな導入から(歌詞はさておき)透明感溢れる曲調が全体を通して流れていて大変癒される。泉水ちゃんの暗い詞でも無理矢理感の漂う高音に軽く萌えもいただきつつ『来年の夏も』までの流れはもう文句なしにハッピーなアルバム。そしてラストにいきあり場違いな『あなたに帰りたい』という個人的にはクリティカルなコンボです。最後の1曲だけでアルバムに漂う雰囲気を吹き飛ばすなんて格好良過ぎる。まぁワタシがこの『あなたに帰りたい』をこよなく愛しているせいだとは思うのですけどね。『来年の夏も』『あなたに帰りたい』を連続で何度聴いたことだろう。最後の最後でひっくり返すようなこの曲順には爽快感を感じました。

2007年06月17日

CD/DVD】 追悼 坂井泉水:4『揺れる想い』

揺れる想い揺れる想い
ZARD 坂井泉水 明石昌夫

曲名リスト
1. 揺れる想い
2. Season
3. 君がいない(B-version)
4. In my arms tonight
5. あなたを好きだけど
6. 負けないで
7. Listen to me
8. You and me(and・・・)
9. I want you
10. 二人の夏

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大ヒットした『負けないで』収録の4枚目。殆どの楽曲を織田さんと栗林さんが担当しているためかアルバム全体の雰囲気にすっきりしたものがある。泉水ちゃんの歌唱もほぼ完成され、良い意味でも悪い意味でも曲に感情の起伏を感じなくなった。『揺れる想い』や『Season』辺りはそんな彼女の声を十二分に活かした良質のポップスになっていると思う。あと『Listen to me』がコーラスの所為かアルバムの中でひたすら異彩を放っているのがちょっと楽しい。個人的に好きなのは『I want you』ですが、アルバムとしてはそれほど好きではないかな。

2007年06月15日

本/雑誌】 シャーロット・ブロンテ『教授』

教授教授
シャーロット ブロンテ Charlotte Bront¨e 海老根 宏

みすず書房 1995-12
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シャーロットの死後発表された遺作にして処女作品。しかしなかなかどうして面白かった。語り手であるクリムズワースは男性ではあるけれどシャーロットの書く主人公らしい気難しさと「ある特別の精神」を持っているし、何があっても冷静沈着を友とすることを信条にしている辺りはワタシの可愛いジェインと同じ血を感じる。ワタシの目から見るとちょっと偏屈でうざったそうなこの主人公を「美人ではないが賢い」(これもお得意だ)フランシスが心底愛するようになるってのはとてもシャーロットらしい。クリムズワースがフランシスを探して街を探し回り、墓場で漸く出会えるシーンは堪らなく良かった。

ただ先に『ジェイン・エア』や『シャーリー』を読んでしまった身からするとこの作品は彼女らしい地に足のついた描写、特に恋愛以外の面で発揮される精密さ、が欠けてるかなと思った。特に最期のクリムズワースとフランシスが結婚して一財産を築きイギリスに渡るまでの描写がそこに至るまでの過程とは比べようもないくらい大雑把。それなら結婚するところで止めとく方がらしいのにな、と思った。まぁそういう構成の面も含めて初めて書いた小説っていうのはしっくりきた。タイトルが『教授』であることから考えてこっちの方がよりシャーロットの心情が深く反映されているのかもしれない。


そうそう、この『教授』には未完の作品『エマ』『ウィリー・エリン』が収録されているんですが、これがまた続きの気になる興味深い作品なんですよ。文章量的にもまだプロット段階っぽいこの話を完全な形で読めなかったことが非常に悲しい。美味しいデザートを見せるだけで引っ込められたような気持ちになった。

2007年06月13日

本/雑誌】 八木 教広『CLAYMORE 』

CLAYMORE 1 (1)CLAYMORE 1 (1)
八木 教広

集英社 2002-01
売り上げランキング : 100
おすすめ平均

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弟がアニメを気に入って買ってきたので読ませてもらいました。今週の頭くらいからチョビチョビ読んではいたんですが、休みに入ってようやく12巻まで読み終えました。女の子大好きなワタシにとっては出てくる登場人物の8割が女の子という天国のようなマンガです。そして結構容赦無い。ここはガチ!って感じの女の子以外は皆死ぬ。もうバタバタ死ぬ。ワタシのお気に入りもどんどん死んだ。大雑把な物言いですがクレイモアが女の子しかなれないっていう設定がもうなんというか堪らないのだと思う。これが男だったら戦って死ぬというのはある種王道というか、まぁ仕方ないよなという気持ちになるのだが女の子だからなぁ。それも皆少女と言って良い外見なのでなんでこんな娘たちを戦わせにゃならんのだという仄かな憤りも生まれてしまって、しかもそこに萌えてしまうのだからワタシも業が深い。 この話の何とも言えないもどかしさは他にもあって、主人公クレアが追う仇とも言える人物がラスボスではないのですよ。ついでにクレア弱いし。確かに主人公補正は掛かっているけどそれはワタシが読み手だからそう思えるのであって、物語上はクレアは弱くて役に立たないし仇と狙う一本角の化け物は最強じゃない。物語の中心に主人公がいるのではなく、物語の中に主人公が取り込まれている、このパターンはなかなか深くて良いと思いました。まだ連載途中だけど終わりがどういう形になるのかとても興味深いマンガですね。

しかしこのマンガを掲載している月刊ジャンプが廃刊で週刊の方に移るらしいんですが、正直このカラーは週刊に合わないだろう。週ジャン化するクレイモアなんて見たくないし、このままいって打ち切られようものならこの美しい世界観を途中で途切れさせることになってしまうよ。今更ながらファンの嘆きが理解出来てワタシも悲しい。

2007年06月11日

本/雑誌】 シャーロット・ブロンテ『シャーリー』

シャーリーシャーリー
シャーロット ブロンテ Charlotte Bront¨e 都留 信夫

みすず書房 1996-08
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アンから再びシャーロットへ。『ジェイン・エア』の次に出されたこの作品は今までのもの(アンも含めて)と勝手が違い過ぎて最初ちょっと戸惑いました。今までの1人称に変えて3人称を、語り手であった主人公は冒頭どころか300ページ近くまで出てこない、おかげでヒロインのシャーリーが出てくるより先にワタシの心はその友人である可愛らしいケアリ(キャロライン)にぞっこんです。ケアリ可愛いよケアリ。あんな打算男のロバートなんかにお前は渡せねぇとかもう気分は既に父。とは言えケアリはロバートに恋をし過ぎて死に掛けるので、この恋が報われなかったらワタシ泣いてたでしょう。ロバート・ムアは個人的には気に入らないけど、ラストのケアリを背後から抱き締めるシーンは予想外で良かった。

物語的には男の世界(唯物的)と女の世界(唯心的)なものの同時進行という感じで、その両側に自分の領域を持つ女伯爵のシャーリー・キールダーを軸に時代の動きと彼女の住むフィールドヘッドを巡る動きがあっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら一つの流れに収束し、収まるべきところに収まった感があって良かった。ただひとつ、物語自体の経過時間が短いことがちょっと不満でしたが、読み応えのある時代のワンシーンを綿密に書き切ったシャーロットには脱帽。シャーリーとキャロライン、全くタイプの違う女性をそれぞれのらしい在り方で一個性としての強い女性を書いたのも興味深かったです。

ケアリについては前述の通りですが、一応ヒロインについても一言。シャーリーの気難しさは『ジェイン・エア』のロチェスターをより進化させたようで終盤彼女が誰を愛しているのかが分かった後も本当にこのふたりは結婚するのだろうかと思わされる不可解さに満ちていた。まぁ相手がそんなシャーリーに詰られながら屈服させたいとか言ってる変態なのでお似合いだと思いますが割と感情移入のし難い女性だったかな。これはもしかしたら冒頭でシャーロット自身が『ジェイン・エア』のようなロマンスは期待しない方がいい、と言ったそのことにも起因しているのかもしれない。ロマンスよりもリアリズムをより前面に押し出して書こうとした彼女の試みは決して悪くないけれどラストでダダ漏れになるロマンチシズムが彼女を堪らなく可愛く思わせてしまう。シャーロット大好きー

2007年06月10日

本/雑誌】 えすのサカエ『未来日記』

未来日記 (1)未来日記 (1)
えすの サカエ

角川書店 2006-07
売り上げランキング : 6049
おすすめ平均

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ネットの評判とサイトの立ち読みに興味を惹かれて購入。いやぁ、ヒロイン由乃の破壊力が思った以上で参りましたよ。何だこのクレイジーガールは。狂信的なほどの雪輝への愛と彼以外への無関心振りにワタシが由乃に惚れそうです。恋に一直線な乙女は大変可愛らしいものですが、彼女のそれは愛情を向けられる本人にとっては恐怖以外の何物でもないと思うと報われない彼女が可哀想だなぁと思ってしまう程度には由乃が大好きです。とはいえ自分が雪輝の立場になりたいかといえばそれは願い下げですが(チキン) 10分おきに観察日記つけられるほどの愛情は持て余しちゃうよなーでも由乃のキレっぷりは傍から見ていると本当に可愛くて応援したくなるので熱意のこもった目で見つめていたい。 そんな由乃への愛ばかりが先走りそうになるこの『未来日記』ですが、ストーリーもなかなか面白くて続きが気になります。最終的に残るのは雪輝と由乃になるのかな。個人的には4thのひとの内面にドロドロしたものがあってくれると良いなぁと思ってます。ただの良いひとでは終わらないと思ってるけど。

CD/DVD】 追悼 坂井泉水:3『forever you』

forever youforever you
ZARD 坂井泉水 明石昌夫

曲名リスト
1. 今すぐ会いに来て
2. ハイヒール脱ぎ捨てて
3. forever you
4. もう逃げたりしないわ 想い出から
5. あなたを感じていたい
6. 気楽に行こう
7. I'm in love
8. こんなにそばに居るのに
9. Just believe in love
10. 瞳そらさないで

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1995年リリースの6枚目。これ以降もヒットシングルはいくつか出ていますがZARD全盛期最後のアルバムという印象が強い。とは言えミリオンヒットと言えるシングルはなく全体的にはまったりとした感じ。1曲目の『今すぐ会いに来て』のイントロもなく泉水ちゃんの軽やかな声で始まる唐突感がとても好きです。アップテンポにしろバラードにしろZARDはイントロが結構派手なイメージあるのでこれはちょっと異色ですね。サビの高音が苦しそうなところが非常に萌えでした。泉水ちゃんらしからぬと言えば7曲目の『I'm in love』もそうだ。サビの無理矢理な弾け感がGIZAの若い娘がやるなら違和感無いんでしょうが、泉水ちゃんがやるとどうしてもぎこちなさが浮かんできてしまう。それはワタシの中の坂井泉水に躍動感というか生命エネルギーの迸る強さが感じられないからなんだろうな。どんな悲痛な曲でも喜びに満ち溢れた曲でも平坦な声で歌う妙な冷静さを愛してます。でも無理してる感の漂う曲は坂井泉水萌え視点からすると正直堪りませんね。

2007年06月09日

本/雑誌】 アン・ブロンテ『ワイルドフェル・ホールの住人』

ワイルドフェル・ホールの住人ワイルドフェル・ホールの住人
アン ブロンテ Anne Bront¨e 山口 弘恵

みすず書房 1996-02
売り上げランキング : 821033

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『アグネス・グレイ』に心臓打ち抜かれた勢いでもう一つのアン作品である『ワイルドフェル・ホールの住人』へ突入。こちらは600ページ超の長編でかなり読み応えでしたが、飽きさせない展開にもう夢中になって読んでました。アンのリアリズムは『アグネス・グレイ』で厭と言うほど理解していたんですけどこちらはそれ以上だな。行間から「馬鹿は一生馬鹿」「馬鹿に悔い改めるという言葉は無い」という彼女の主張が滲み出てくるような、ヒロインであるヘレンの夫ハンディンドン氏に対する描写が特に凄い。これでもかこれでもかというほど彼の愚行を書き連ね、最後の最後まで彼を悔い改めさせようとはしない残酷なほどの現実。どこまでも冷静に書き進めるアンを想像して背筋がぞくぞくしちゃいましたよ。ところでこのハンディントン氏の最期、ヘレンがどれほど熱心に神への祈りを勧めてもそれを受け容れようとしない無理解さに芥川の『六の宮の姫君』を思い出した。どちらも周りがどれだけ訴えても本人にその意思が無いのだから無駄だなという思いにさせられる話だ。 とは言えハンディントン氏とヘレンの出来事はこの長い話のほんの一幕でしかなく(ある種重大な一幕ではあるが)、ハンディントン氏の死によって主人公ギルバートが何でヘレンと結ばれたのかはかなり不思議。氏ほど酷くはないけれどギルバートだって大した男じゃない気がするけどなーもうひとりの求婚者とどう違うのか正直ワタシには分からなかったよ。まぁ締めが「みんな幸せに暮らしました」なので良しとしよう。 しかしアグネスにしろヘレンにしろアンの書くヒロインの頑固さにはホントビックリさせられる。アンはそんな感じだったのかなぁ。もっと彼女の作品を読んでみたかった。29歳なんて若過ぎるよ。

2007年06月05日

本/雑誌】 アン・ブロンテ『アグネス・グレイ』

アグネス・グレイアグネス・グレイ
アン ブロンテ Anne Bront¨e 鮎沢 乗光

みすず書房 1995-08
売り上げランキング : 599860

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『ジェイン・エア』に触発されてブロンテ全集を読むことにしました。『ジェイン・エア』と『嵐が丘』以外は手軽に手に入るものではないので図書館で入手。成り行きでまずは末の妹アンの『アグネス・グレイ』から。シャーロットとエミリ程有名ではない彼女の作品に関しては姉妹という括りで全集に入っているのだとばかり思っていましたがとんでもない。度肝を抜かれた。 主人公であるアグネスが家庭教師であるというところは姉の作品と同じであるものの、ジェインが教え子であるアデールと十分な信頼関係を築き上げていたとは正反対にアグネスは雇い主である両親からも教え子である子供たちからも不当なほど蔑まれ、あまつさえ召使にさえも馬鹿にされてしまう。当時の家庭教師という存在がどれほど不当な扱いを受けていたのかがよく分かります。1軒目の時点でもう読んでるこちらはムカムカして仕方がないのにアンは手を緩めずこれでもかこれでもかという酷い仕打ちの数々を連ね上げる。ラストがウェストン氏のプロポーズで本当に良かった。これでアグネスの恋が報われなかったらこの世には神も仏もないのかと思わされるところだ。ハッピーエンドにこんなにホッとしたのも久しぶりでした。 それにしても自身も家庭教師を勤めていたアンのこと、これは半分アンの自伝みたいなものだと思うのですが、だとしたらここまで惨めに自己を見つめて描写する冷静さと観察眼は脅威だ。『ジェイン・エア』にはロチェスター氏への想いと自己の規律で悩み己を叱咤する描写はあれど、アグネスのように不当な仕打ちでプライドを粉々にされるようなことは無い。そんな筆にするのも腹立たしい出来事をひとつひとつ丁寧に書くアンは表現者としての冷静さと描写のリアリティさにおいて姉を上回っていると思いました。ただアグネスが心情を吐露する際、必要以上に己を卑下するところなんかはちょっと姉のシャーロットを彷彿とさせたかな。イヤもうとにかく良かった。ブロンテ姉妹は最高だ。

2007年06月04日

CD/DVD】 追悼 坂井泉水:2『君とのDistance』

amazonのミュージックランキングが相変わらずカオスだ。気持ちは分かるけども。

君とのDistance君とのDistance
ZARD

曲名リスト
1. 夏を待つセイル(帆)のように
2. サヨナラまでのディスタンス
3. かけがえのないもの
4. 今日はゆっくり話そう
5. 君とのふれあい
6. セパレート・ウェイズ
7. Last Good-bye
8. 星のかがやきよ
9. 月に願いを
10. あなたと共に生きてゆく
11. I can’t tell
12. good-night sweetheart
13. 君と今日の事を一生忘れない ※〈デジパック仕様〉

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2005年にリリースされた11枚目のオリジナルアルバム。バラード寄りの曲が多いためか全体的に落ち着いていて泉水ちゃんに無理させてる感が無いのが寂しい。歌詞も現在進行形の幸せが強調されたものが大半でパンチが足りない。前作でもそうでしたが、作曲の殆どが愛果先生のため今までのZARDとは音の立ち位置がちょっと違って面白い。特に『セパレート・ウェイズ』辺りは囁くように歌う泉水ちゃんが新鮮で良かった。ちなみにアルバムでいちばん好きだったのは『君と今日の事を一生忘れない』、当時は『永遠』のような壮大さが良いなぁとか『世情』っぽさを感じるとかそんなことしか思っていなかったけれど、これが最後のオリジナルアルバムのラストを飾る曲だと思うとちょっとした葬送曲のようだ。本人にそんな気は全く無かったと思うけど、偶然は恐ろしいな。そして何よりジャケ写の泉水ちゃんの美しさに萌え死ぬかと思った。
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